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奨学金は「借金」であるという真実

大学進学のために奨学金を借りる人は少なくありません。お金がないために行きたい大学に行けないという人にとって、奨学金は非常に有効な手段です。

しかし、奨学金を借りることを検討している人や、奨学金を使って大学に進学した人の中には、現在進行形で返済を頑張っている人もいることでしょう。

そんな人はしみじみと感じるのではないでしょうか。

返済が大変だと。そして奨学金は借金なのだと・・・

参考リンク:奨学金の基本

両親が奨学金を使ったことがない人や、これから申し込もうとしている人は、ニュースでよく取り上げられる「返済が大変」という問題にあまりピンとこないかもしれません。

奨学金というものを安易に考えてはいけません。日本の奨学金の多くは、利息付きの「借金」なのです。

卒業後には月々の返済が何十年にも渡って続き、最近では返済できなくなってしまう人も増えているという現実を覚悟しておかなければならないのです。

 

目次

学費はぐんぐん上がっている!他人事ではない奨学金借り入れ

奨学金事業を行っている最も有名な団体は日本学生支援機構です。

一昔前は日本育英会と呼ばれた組織で、現在は名称を変更し、学生に対する学費の支援を主として行っています。学費の支援とは、言わずもがな「奨学金」のことです。

また、日本には学生支援機構の他に自治体な企業も奨学金の貸与をしています。

何らかの奨学金を借りている学生はなんと2人に1人。大学の授業料値上げが続いており、教育費が増加していることに伴って奨学金に頼らざるを得ない家庭が増えています

国公立大学といえば学費の安い大学の代名詞のようなものでしたが、近年は学費が上がっているという現状です。

40年前は3万円ほどだった国立大学の学費が社会情勢や物価の高騰によって16倍の価格になり、現在は50万円以上になっています。

文部科学省では学費が安いはずの国立大学もこのままでは、そう遠くないうちに約100万円の学費になるだろうと試算しています。どんなご家庭にとっても、奨学金を借りるということは他人事ではないということです。

奨学金の性質は「ローン」に近い!?気をつけるべきこと

最も代表的な奨学金はである日本学生支援機構の奨学金は、学校を通じて申請をして、審査に通れば奨学金を受けることができます。

同機構が行っている奨学金は国内大学への進学の場合、全て返済が必要な「貸与型」で、すなわち「借金」になります。

利息は無利息の「第一種」と、利息が必要な「第二種」がありますが、第一種は条件と審査が厳しく人数も限定されているため、多くの学生は第二種を利用しています。

覚えておかなければいけないのは、貸与型の奨学金は借金であるということです。学費を「くれる」のではなく、銀行のローンと同じように後日の分割返済を条件に「借りる」のが日本の奨学金なのです。

これは自治体や企業の奨学金も似たようなものです。

一定条件のもとに支援(貸付)してもらえるのが日本の奨学金です。

奨学金の利息は他の金融機関でのローンと比べて非常に低い(上限3%)です。

または、第一種であれば無利息です。

しかし、大学卒業直後の給与が低いうちから毎月返済していかなければならなくなるのが辛いところ。

多くの学生は卒業後に返済が開始して初めて、「奨学金=借金」という事実を実感します。

日本学生支援機構の奨学金返済を3ヶ月以上滞納している人は10年前と比べて約2倍になっています。

給料をもらっていれば返済は簡単では?現実は違います

かつては大学卒業後に安定した就職が期待できていましたが、現在では正規雇用に就くことも容易なことではありません。

たとえ就職できたとしてもサラリーマンの平均年収は10年前に比べて減少しており、返済の余裕がなくなってきています。

事実、日本学生支援機構の奨学金を3か月以上延滞している人のうち、46%の人は「非正規労働者又は職がない」状況にあり、83.4%が「年収300万円以下」となっています。

4年間で借入総額は膨らむことを学生は意識しない

奨学金は毎月口座に振り込まれ、卒業後に返還します。

月々5万円ずつ借入していると奨学金の合計は4年間で240万円。卒業と同時に高級外車が買える金額の借金を背負うことになるのです。

年利が上限の3%だった場合、15年で返還すると月々約1万7,000円、返済総額は約300万円になります。

月々10万円ずつ借入する場合奨学金の総額は480万円。

新卒の学生が負う借金の額としてはかなり大きな額になります。

3%の金利を20年で返済すると月々約2万7,000円の返還で、返済総額はなんと約650万円にもなります。

現状では適用金利は1%を切っている状態が続いていますが、たとえ金利が0.5%だったとしても返済総額は505万円。25万円分を利息として支払う必要があります。

月々の返還金額を見るとあまり負担がないように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、22歳で卒業したとして15年かけて返還すると、完済する頃には37歳。20年で返済すると42歳になっています。

結婚して家庭を持っているとすれば自分の子供の教育にお金を貯めるべき時期であり、自分の学費の返済が終わらないうちに子供の学費工面に奔走することになります。さらに、この年代は住宅取得のために住宅ローンの申し込みをすることも多い年代です。

住宅ローンを返済し、子供の学費を工面し、さらに生活のためのお金を捻出する。そんな時に自分の奨学金の返還をしなければいけないことになるのです。

住宅ローンに影響する可能性もある?滞納ではブラックリストに

そう、まさに奨学金の返済は家庭を持ち色々なお金が必要になる時期と重なってしまうのです。ゆえに、返済が大変という問題以外にも、色々な弊害があります。

例えば、返済日に振替口座に入金を忘れていたというケース。奨学金は分割返済のローンのようなものですから、返済日にお金が落ちないとローンの返済滞納と同じく信用情報に傷がつきます。

3ヶ月以上返済を延滞していると、債権回収会社から督促の電話がかかって返済を請求されます。

奨学金=借金という感覚が薄いと、この時点でかなりびっくりするようです。連帯保証人がいる場合、連帯保証人にも返済の請求が行われます。

もちろん信用情報にも影響しますので、クレジットカードが新しく作れなくなったり、住宅ローンを組むことが難しくなったりする可能性があるのです。信用情報に「この人は滞納しました」という傷があることを「ブラックリストに載る」といいます。まさにブラック状態になり、新しいカード作成やローン申し込みは審査パスが難しくなるのです。

また、怖いのが延滞金です。遅れれば遅れるだけ返済金がかさむという仕組みです。

まず、延滞金として平成26年3月31日までは年10%、平成26年4月1日以降は年5%の延滞利息が付加されます。

利率は引き下げられることとなりましたが、奨学金の利率と比べると未だにかなり高い設定になっています。

ついうっかり延滞してしまっただけでなく、収入がなくなって返済ができなくなってしまう場合もあるでしょう。奨学金諸手続きを理解することと対策を立てておくことは、奨学金の返済苦に陥らないために大切なことなのです。

奨学金を借りる前に考えておくべきことは?返済への対策

奨学金の返済対策としては次のことが考えられます。

  • 奨学金返済猶予や減額・免除
  • 貯金や学資保険でお金の積み立て
  • 教育資金贈与
  • 自分に合った奨学金を選ぶ

まずは子供にも奨学金は返済義務があるという自覚を

高校生時の申し込みでは「奨学金は借金」という自覚が少ない状況です。

事実上は親が返済する予定の家庭もあるかもしれませんが、子供の名義で借り入れる以上は直接返済義務を負うのは子供です。

奨学金を借りるのであれば、子供がそれを自覚したうえで進路を決定し、大学生活の送り方を考える必要があります。

例えば生活費が抑えられれば、奨学金を借りなくてもよくなるかもしれません。自宅から通える範囲の大学にすれば生活費はかなり抑えられます。

一人暮らしの必要がある場合でも、都心より地方の大学の方が生活費は抑えられます。

他にも寮に住むという方法もあります。削れる資金があれば、削ることも検討しましょう。

卒業後に子供が奨学金返済の重い負担に後悔をしなくてもよくなるように、本人にもしっかりと奨学金の意味を理解させておく必要があるのです。

本当に必要な進学かどうかを本人に考えさせるいい機会にもなりますね。

お金を借りているっていう自覚をもって、節約した学生生活を!

奨学金を借りている学生はお金を借りているっていう意識して、学生生活を節約しながら過ごすべきです。

と言っても、学生生活を楽しむな!って言っているわけではなくて、自由になったからと言って不必要な無駄づかいをしないで、賢くお金を使うようにしましょうってことです。

学生生活を楽しみながら節約するコツ

上の内容を意識すれば、他の学生と同じような生活をしながら、お金が貯まって奨学金の負担は軽くなります。

私の友人も、奨学金を借りて大学に通っていましたが、4年間アルバイトをしながら、奨学金をそのまま貯金に回していて、卒業と同時にほぼ全額の奨学金を返済してしまいました。

これは極端な例ですが、節約しながら賢くお金を使えば、卒業時のスタートがだいぶ楽になります。

それでも借り入れるなら対策を!積み立ては大事

たとえば、児童手当を全て貯蓄しておけば約200万円にもなります。

国公立大学であれば4年間の授業料をほぼ賄える計算です。

親に万が一のことがあっても進学に支障がないように学資保険を利用して積立貯蓄をしておくこともおススメします。

学資保険は子供が一定の年齢に達した時に満期資金が支払われる保険ですが、積立期間中に親が死亡した場合にはそれ以降の払込金が免除されます。

満期金は払込金以上になるものがほとんどなので、是非活用していただきたい商品です。なかなか貯金ができない、という方には財形貯蓄を活用して給与天引きで貯蓄をしていくというのもおススメですよ。

祖父母からの贈与では税金優遇の制度も

祖父母から教育資金の贈与を受けるため、「教育資金贈与」を利用するという方法もあります。

これは子や孫へ教育資金を贈与する場合、一括で贈与しても1,500万円までならば贈与税が非課税となるという制度です。制度を使わずに1,500円を贈与場合は470万円の贈与税がかかりますので、上手に使えばかなりの節税になります。

直接孫に資金を贈与することで、相続税対策にもなります。

ただし教育資金として使いきらなければならないという条件や、一括して贈与したことで祖父母の老後資金不足などにもつながるといった問題もあります。

教育資金贈与を利用しない場合でも、毎年110万円までの暦年贈与であれば贈与税や相続税もかかりませんし、そもそも大学の入学金などを支払いが必要な時期に祖父母が支払うことは日常に必要な費用の支払いであり、贈与税の対象となりません。祖父母が元気なうちはこういった方法を取ることも有効でしょう。

 

第一種奨学金を目指すことで返還総額を少なく

日本学生支援機構の奨学金を借りるのであれば、まずは利息のつかない第一種奨学金を目指しましょう。

第一種奨学金には学力基準(高校の成績3.5以上、在籍する学部学科の上位1/3以内)と基準があり、更に人数も限定されていますので必ずしも受けることができるわけではありません。しかし、無利息になると、返済総額がぐんと少なくなります。できれば第一種で申請を出したいところです。

返済予定を確認しておこう

日本学生支援機構ではいくつかの問いに答えることにより簡単に借り入れと返済の試算が可能です。

ざっくりと「借りる」「卒業後に返さなければいけない」と把握するのではなく、卒業後は具体的にこの金額を返済しなければならないというシミュレーションをし、現実感を掴んでおきましょう。

 

 

日本学生支援機構の制度も活用を

どうしても返還が難しくなってしまった場合、延滞する前にできることがあります。延滞利息が発生したり、信用情報に影響が出たりする前に対応を行いましょう。日本学生支援機構では以下のような制度があります。

減額返還

月々の返済額を減らし、その分返済期間を延長する方法です。

減額返還制度は、災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難な方の中で、当初約束した割賦金を減額すれば返還可能である方を対象としています。

一定期間1回当たりの当初割賦金を2分の1に減額して、減額返還適用期間に応じた分の返還期間を延長します。毎月の返還額を減額するため、無理なく返還を続けることができます。

願い出るためには、提出いただく証明書が、一定の要件に合致しなければなりません。適用期間は12か月(6か月分の割賦金を12か月で返還)で最長10年(120か月)まで延長可能です。

 

返還期限猶予

収入が全くなくなってしまった場合などに、一定期間返還を待ってもらうことができる制度です。待ってもらえる期間は審査で決定されます。

災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合は、返還期限の猶予を願い出ることができます。そのような状態になった場合は、延滞する前にすみやかに手続きをおこなってください。

申請には所定の書類の提出が必要です。審査により承認された期間については返還の必要がありません。適用期間後に返還が再開され、それに応じて返還終了年月も延期されます。 ただし承認されない場合は返還を継続する必要があります。

ただし、返還期限の猶予は、一定期間返還期限を延期する制度であり、返還すべき元金や利息が免除されるものではありません。

 

返還免除

極めて限定的な条件ですが、返還が免除される場合もあります。死亡又は精神若しくは身体の障害により返還ができなくなったとき等の他、学業成績が優秀であることや特定の仕事に就いたことなど、特定の条件を満たした場合にのみ認められます。

 

日本学生支援機構以外の奨学金制度も知っておこう

日本学生支援機構以外にも、自治体や財団が奨学金を貸与しています。

「奨学金を借りよう」と思ったらすぐに日本学生支援機構に決めてしまうのではなく、他の奨学金も確認して比較し、家計や自分に合ったものを選ぶのが重要です。

最近では大手外食チェーン店である「吉野家」が奨学金制度を発表して話題になっています。他にも色々な奨学金があります。

 

三菱UFJ信託奨学財団一般奨学金

日本のメガバンクグループに属している三菱UFJ信託銀行が運営する財団です。指定大学への進学者に奨学金が給付されます。

財団では「学資給与規則」及び「留学生特別学資給与規則」を定めて奨学事業の運営を行っています。奨学生の採用は推薦された候補者の中から、理事会から決定権限を委譲された財団の奨学事業選考委員会が決定し、学校長等を経て本人に通知されます。最近は毎年度合計150名程度を採用しているようです。

 

公益財団法人 旭硝子奨学会

国内最大手の硝子メーカー、旭硝子が運営する奨学金制度です。日本国内の指定大学20校に在籍する大学院修士、博士課程の学生が受けることのできる給付型の奨学金です。

公益財団法人旭硝子奨学会は、国内外の社会に有用な人材を育成することを目的とし、経済的な援助を必要とする優れた日本人学生及び外国人留学生に対して奨学金を支給しています。

 

朝日奨学会

朝日新聞社が運営する奨学金制度です。朝日新聞販売所で新聞を配達しながら進学を叶えるための給付型奨学金を受けるというユニークな内容です。

その他にも、「返済不要の奨学金」「無料の宿舎提供」「毎月の給与支給」「教材費支給」といったさまざまな特典があります。中でも教材費の支給はこの朝日奨学会の奨学金制度でだけ行われています。おススメの奨学金です。

 

基本的には在学する学校を通して申請します。給付成績が優秀であることや親の収入制限や様々な条件や厳しい審査がある場合もありますが、強く進学を希望される方は是非挑戦してください。

大学が行う奨学金・学費免除・補助も!

近年では年々上昇する大学の学費を支払えずに退学をする生徒も増加しています。そのような事態を避けるため、対策として給付型の奨学金や授業料免除や減額などの制度も充実してきています。

ここでは有名な制度をいくつかご紹介します。

早稲田大学「めざせ!都の西北奨学金」

「めざせ!都の西北奨学金」は、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者で、学業成績が優秀であるにもかかわらず家計の事情で早稲田大学への進学を断念せざるを得ない受験生を対象にした奨学金です。

早稲田大学の給付型奨学金は、年間1,200人も対象となります。また、年額40万円の支給を受けることができます。

この奨学金は、入学試験の出願前または出願期間中に奨学金を申込んでもらい、書類選考により奨学金採用候補者として認定された場合、入学前に入学後の奨学金を予約採用する制度です。入学試験に合格・入学することで奨学金に正式採用となります。

慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金」

慶應義塾大学が用意する奨学金制度です。毎年審査を受ける必要がありますが、年額60万円の給付型奨学金を受けることができます。

本奨学金は、慶應義塾大学の学部第1学年に入学を強く希望する日本国内(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を除く)の高等学校等出身者で、人物および学業成績が優秀であるにもかかわらず、経済的理由により本学への入学に困難を来している受験生に対し、経済支援を行うことを目的とします。

選考については、一般入学試験前に申請を受け付け、候補者を決定します。その後、一般入学試験に合格し、入学後に所定の手続きを行うことで奨学生として採用されます。また、道・府・県をブロック単位に分け、地域ブロックごとに給付人数を設定することで、地域の偏りをなくしている点も大きな特徴です。奨学金額は年額60万円(ただし医学部は90万円、薬学部薬学科は80万円)で、毎年の申請・審査により2年目以降も継続受給が可能です。

広島大学「フェニックス奨学制度」

旧帝国大学の広島大学でも奨学金制度を設けています。選考基準はかなり厳しいですが、支給される金額毎月10万円で、入学金と授業料も免除されます。
参照
https://momiji.hiroshima-u.ac.jp/momiji-top/life/keizaishien/phoenix.html

この他、国立大学では文部科学省によって入学料や授業料が免除される制度が定められています。もちろん成績優秀であることが前提となりますので、日々勉強に励む必要があります。

参照
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t20010328001/t20010328001.html

このように、日本学生支援機構の奨学金以外にも各大学の援助や各種奨学金があります。中には条件がかなり厳しいものもありますが、相応に条件も良いので、比較して決めるのも、将来のためには大切なことではないでしょうか。

卒業後の未来のために

奨学金は大学卒業後の未来を明るくするためのものです。子供の将来に影を落とすようなことはあってはなりません。

そのためにも制度をきちんと知り、本当に必要な額だけを借りるようにしてくださいね。「奨学金はもらうものではなく借りるもの」ということを覚悟して、その後の返済計画も練りましょう。

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