今やクレジットカードは日本人一人当たり3枚を所有するほどを、私たちの生活に身近な存在になっています。
クレジットカードを発行するためには審査が必要ですが、その審査には身分証明書が必要です。
ここでは身分証明書として健康保険証を利用する場合の注意点についてご説明します。
クレジットカード申し込みの前に一読して参考にしてください。
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身分証明書はなぜ必要か?
そもそもなぜクレジットカードの発行のための審査の時に、身分証明書をクレジットカード会社に提出しなければならないのでしょうか。
これは平成20年3月から施行されている、犯罪による収益の移転防止に関する法律、通称「犯罪収益移転防止法」によって定められているからです。
この法律は主に暴力団などが、他人名義でクレジットカードを発行し利用するなどして、マネーロンダリングに利用されるのを防ぐことを目的にしています。
この法律によりクレジットカード会社はクレジットカード発行に際して、クレジットカード発行する対象の人の身分を確認しなければならなくなりました。
従ってクレジットカードの発行の際には、クレジットカード会社は本人が借りたお金を返す見込みがあるのか、という信用だけ出なく、犯罪防止の観点からも本人確認を徹底しています。
身分証明書に使われるもの
ここでは主なクレジットカード会社が身分証明書として提出を求めている書類についてご紹介します。
一口に身分証明書と言っても様々な書類が含まれていて、それぞれの書類でクレジットカード発行の審査に対する影響度合いが異なってきます。
身分証明書の提出としてどの書類が最適なのか考えてみましょう。
運転免許証か健康保険証が基本
身分証明書の王様と言っていいほど、運転免許証は日本全国津々浦々で身分確認の際にまず提示を求められる書類です。
また高齢になり運転免許証を自主返した際に発行してもらえる運転経歴証明書も身分証明書としての効力は運転免許証と同等です。
運転免許証を、または運転経歴証明書は、 IC カードがベースになっており、本人の顔写真が掲載され、発行した都道府県の公安委員会の記載もあります。
これにより偽造が難しいという点で身分証明にうってつけの書類なのです。
加えて免許証番号から過去の犯罪歴も確認することができます。
さらに全国統一規格で発行されていることから、クレジットカード会社にとっても人の力を借りずパソコンで身分確認を行うことができます。
クレジットカードの審査の際には、運転免許証を提示できるのであれば、まずこれを選ぶようにしましょう。
健康保険証は、会社員であれば誰でも発行してもらえることから、クレジットカード発行の際の審査に積極的に提出していきたい書類です。
健康保険証には勤務先情報が記載されています。
記載されている勤務先の情報を調べれば 、その会社の社員は安定的に収入が得られるかどうかが判断することができます。
従ってクレジットカード会社にとって最も重要な与信に有利な情報を提供します。
すなわちクレジットカードの審査が通りやすくなるということが言えます。
最近の健康保険証は、住所を裏面に自署するタイプのものが多いので、提出する際には両面コピーを取って提出するようにしましょう。
住民票の写し
現在住んでいる市区町村で発行することができる住民票の写しも、クレジットカードの審査の際に身分証明書として提出することができます。
新しい住民票の写しには、発行期限から6ヶ月という有効期限があります。
クレジットカード会社に提出する際には、期限内のものを提出するようにしましょう。
また住民票は、他の身分証明書に記載の住所と現住所が異なっている場合に、同時に提出すると審査に好影響を与えます。
このように身分証明書に記載の住所と現住所が異なっている時に提出するとよい書類がいくつか存在します。
公共料金(水道・電気・ガス・電話・ NHK) の領収書や、納税証明書、国税地方税の領収書、社会保険料の領収書などがこれにあたります。
これらの書類はそれらだけでは身分証明書としても成立しませんが、身分証明書に記載の住所が現住所と異なる場合には、申請者の住所を保証するものとして審査の対象になります。
パスポート
全国で統一規格であるパスポートもクレジットカードの審査に身分証明書として利用することができます。
しかしパスポートの住所は手書きです。
これによりクレジットカードの審査が PC ではなく人の目を使ったマニュアルで行われることから、クレジットカードの審査は厳しいものになりがちです。
審査が通るか通らないかギリギリのラインである時には、パスポートを身分証明書として提出しない方が良いでしょう。
写真付きの住民基本台帳
2015年10月にマイナンバーカードの発行が開始されたことにより、現在では発行が終了している写真付きの住民基本台帳カードですが、クレジットカードの審査においては身分証明書として利用することができます。
外国人登録証明書
日本国籍を保有していない方がクレジットカード発行の申請をするときには、外国人登録証明書(現在は特別永住者証明書)、もしくは在留カードの提出が求められます。
学生専用カードなら学生証
申請者が学生である場合は、運転免許証などの他に学生の身分であることを示すために、学生証を提示する必要があります。
クレジットカード会社にとって学生は、安定した収入がないために与信を与えづらい顧客です。
従って審査を通すためには、なるべく正確に情報を開示し誠実である必要があります。
学生であるにもかかわらず学生証を提示しないことは、クレジットカード会社にとっては不誠実にうつります。
学生証の提示の際には、顔写真、学長印、有効期限が記載されたページをコピーして提出しましょう。
健康保険証は勤務先情報が満載。提出するなら申し込み情報と矛盾しないようにしよう
健康保険証には勤務先の情報が書き込まれています。
クレジットカード会社はこの情報を元に会社に在籍確認を行います。
在籍確認を行う目的は、勤務先に本当に所属しているのか確かめることです。
勤務先さえわかれば必然的に年収もわかり、上場企業であれば平均年収は世間に公表されていますし、中小企業であっても東京商工リサーチなどから平均年収を調べ上げることができます。
これによりクレジットカード会社は自己申告された年収が正しいのか確認し、貸し倒れのリスクがないかどうかを審査しているのです。
でも、ただ会社に所属しているだけでは十分ではありません。
どれくらい長く勤めているかが大事です。
勤めて1年の人と10年の人では、これからどれくらい安定的に勤務し続けるかが全く違います。
長く勤めている人は、基本的にはやめないからです。
したがって勤務年数が少ないと審査に落ちる可能性もあります。
これを嫌って勤務年数を水増しして申請してしまうと、健康保険証をチェックすることでクレジットカード会社に嘘をついていることがバレてしまいます。
従って健康保険証を身分証明書と提出するのであれば、申込情報と矛盾がないように正確に記載をするよう心がけましょう。
国民健康保険証の場合は居住情報がチェックされる
サラリーマン以外の自営業の方は国民健康保険証を身分証明書として提出することもできます。
クレジットカード会社が国民健康保険証を見るときに確認する項目は、主に居住年数です。
記載がある市区町村に何年間住んでいるのか、という情報から与信について判断を下します。ここでも正確な記載を心がけましょう。
まとめ
クレジットカード審査の際にはさまざまな公的書類を公的書類を身分証明書として利用できることをご説明しました。
クレジットカード会社に自分が何者であるのかも証明するために身分証明書を提出するのですから、自己申告していて内容を証明できるような身分証明書を提出できると審査の通りやすくなります。
そのためには正確な情報の記載が重要になってきます。正確な情報の記載を常日頃から心がけましょう。
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