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【ガス自由化とは】ガス会社を乗り換えるメリット総まとめ

電気会社を自由に乗り換えできる電力自由化に続き、ガスもついに自由化することが決まりました。2017年より本格的にガス自由化がはじまり、自由にガス会社を乗り換えできるようになりました。

ガスは電気と同じく生活の基本になるエネルギーです。正しい知識で賢く乗り返したいものです。今年はじまった新制度「ガス自由化」のメリットや手続きを中心に基本事項をおさえましょう。制度に興味のある方から「いつの間にガスも自由化していたの」という方まで、使える知識を徹底解説します。

目次

そもそもガス自由化とは?制度概要

ガス自由化は2017年からの制度です。正しくは、自由化のスケジュール自体は1990年代からはじまっていました。しかし当時のガス自由化の対象は病院や企業など、たくさんガスを必要とする施設だけでした。段階的に制度の整備を行い、2017年ついに一般家庭が自由化の対象になりました。

ガス自由化は電力自由化の時よりテレビでもあまり取り上げられていない印象があります。自由化していることに気づいていない方もいます。しかし、それも仕方のないことかもしれません。なぜなら、一般家庭であればどんな地方のどんな家庭でも自由に乗り換えできるというわけではないからです。

電力自由化は一般の家庭であれば多数の家が対象になりました。マンションやアパートも電気の契約状況によっては電気会社を自由に乗り換え可能でした。ガス自由化は、もう少し制約のある制度なのです。まずはガス自由化の制度概要についてお話します。

ガス自由化を正しく理解するためのポイントは、「電力自由化とセットで覚える」ことと「対象外になるガスがある」というところです。

プロパンガスと都市ガスの供給方法の違い

一言にガスといっても種類があります。家庭用のガスにもプロパンガスと都市ガスがあります。この二つの具体的な違いは、主にガスの送り方です。

プロパンガスはガスボンベにガスを詰めて各家庭に置くことによってガスを送ります。家の外にガスボンベが置かれている光景を目にしたことはないでしょうか。あれがプロパンガスです。対して都市ガスは、ガスの導管を通して各家庭にガスを送っています。

ガス自由化の対象になるのは都市ガスを使っているお宅です。プロパンガスは自由化の範囲外となります。こう説明すると「え、プロパンガスは制度の整備が遅れているの?」と思うかもしれません。そうではありません。実は、プロパンガスに関しては、とっくに自由化しているのです。

プロパンガスの小売事業者は全国に約2万件あるといわれています。契約件数は全体の約半数ほどであると言われています。プロパンガスを使っていたお宅は、自由にプロパンガス会社を選ぶことができていたのです。ガス自由化という制度からプロパンガスが弾かれているのではなく、既に自由に切り替えができるから範囲外ということです。今回の制度では、主に都市ガスを使っているお宅やプロパンガスから都市ガスに切り替えるお宅がターゲットになります。

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結局どんな制度なの?ガス自由化

一言で制度を説明すると、「自由化の対象になるお宅は自由にガス会社を乗り換えることができますよ」という制度です。自由に電力会社を乗り換えできる電力自由化のガス版と解釈すればわかりやすいです。

電力自由化に際してはコンビニやスマートフォン会社など多くの企業が新規参入し、電気料金の安さや特典を競っています。お客さん側は料金や契約内容、サービスを見て好きな会社に乗り換えることによってメリットを受けることができるという仕組みです。ガス自由化も簡単に説明すると同じような仕組みになります。ガス自由化のメリットを知れば電気会社の乗り換えと同じくお得になるというわけです。

次の項目からは、具体的なガス自由化のメリットと手続きに関する疑問にお答えします。乗り換えを検討するためには、まずメリットやデメリット、手続き方法を知るところからはじめてみましょう。

ガス代はどれくらい安くなる?制度のメリットとは

ガス自由化最大のメリットはガス料金が安くなることです。電力自由化の時も電気料金が安くなるといわれ、実際に乗り換えによって安くなっているお宅があります。ガス自由化のメリットは電力自由化のメリットと同じく考えて差し支えありません。

ガス自由化の対象になるお宅は都市ガスのお宅です。しかし都市ガスが安くなるとプロパンガスも「今の料金設定では都市ガスに顧客を奪われる」と焦って料金を安くする可能性があるといわれています。ガスは今まで価格競争がほとんど起きていなかった業界であるといわれます。ガス自由化によって少しずつ価格競争が起きれば、より安くガスを使うことができるというメリットがあります。

現段階でどれくらい料金が安くなるかは契約状況や使用状況によります。乗り換えで年間数百円以上安くなる場合もあれば、ほとんど変わらない場合もあります。

一般的にプロパンガスの方がガス料金が高く設定されています。都市ガスに乗り換えることによって家計負担を大幅に減らすことができる可能性もあります。上手く乗り換えることにより電力に加えてガスでも家計の負担を減らすことができるというわけですね。

業者の新規参入って厳しいの?参入企業が少ないというデメリット

料金がお安くなるかもしれないというメリットがある反面、デメリットもあります。

デメリットの一つとして、新先参入企業が少ないというものがあります。電力自由化の際は制度開始前に参入の申し込みをする企業が二桁以上ありました。しかし、ガス自由化は僅か数件の企業しか参入の申し込みをしなかったといわれています。なぜかというと、一つにガスの取り扱いは難しいからです。そしてもう一つに、都市ガスを運ぶ導管の整備が遅れているからです。

特に都市ガスの導管整備の遅れは深刻で、日本の国土に対して僅か6パーセントしか整備されていないとか。せっかくプロパンガスから都市ガスに切り替えようとしても、都市ガス対象外の地域が非常に多いということです。これではガス自由化のメリットを受けられる地域がかなり限られてしまいます。現状では関東や関西あたりしか自由に切り替えできません。

電力自由化の時よりもガス自由化の切り替え件数は少ないです。2017年6月時点で、たった23万件程度しかガス切り替えは行われていません。

今後このデメリットがどのように変化していくか注目しておくと面白いですね。電力にソフトバンクやローソンなどの他分野の有名企業が参入したように、ガスにもやがて他業種企業が参入してくるのではないかという期待があります。また、ガス自由化で企業や一般家庭がどんどん声を上げていけば、ガス導管の整備が進むかもしれないですね。

http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/liberalization/switch/
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/liberalization/retailers_list/

ガス会社を変える手続きとはQ&A

まだ発展途上という感のあるガス自由化という制度。電気よりも取り扱いが難しく導管配備が進んでいないという理由から電力自由化より出遅れている感はあります。しかし、今後どんどん大きな企業や有名な企業が参入する可能性が示唆されているため、注目度の高い制度でもあります。

制度のメリットに魅力を感じたら切り替え時です。しかし、切り替えをするとしても、一体どのように手続きを進めたらいいのでしょうか。手続きやガス自由化の心配事について簡単にお答えします。

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通常は切り替え先に連絡するだけで大丈夫?

ガス会社の乗り換えは、乗り換え先に連絡することにより行います。ただし、オール電化契約やLPガス契約(プロパンガスの契約)をしている場合は、現在利用している業者にも要連絡となります。都市ガス間の乗り換えの場合も、後のトラブルを避けるために旧契約会社に一方入れておくのがいいでしょう。

http://www.emsc.meti.go.jp/info/faqg/index.html
http://www.emsc.meti.go.jp/info/faqg/answer.html#q56

ガス会社の乗り換えには、ガスの検針票に記載されている情報が必要になります。手続きの際は手元にガス検針票を用意しておくようにしましょう。

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ガス小売全面自由化に関するよくあるご質問と回答集 | 電力・ガス取引監視等委員会 電力・ガス取引監視等委員会のホームページ、ガス小売全面自由化に関するよくあるご質問と回答集

工事や費用は?ガスメーターはどうすればいいの

ガス会社を切り替えても同じ配管を使いますので、特に工事や費用は必要ありません。ガスメーターも新規契約先のガス会社が取り換えと費用負担をしますので、取り替えのために多額の請求が来るということは基本的にありません。ただし、ガス会社によってはガスメーターをはじめとした設備費用の支払いが必要になることがあります。念のため、契約前に確認しておくのがいいでしょう。

注意しなければならないのは、プロパンガスから都市ガスに切り替える場合です。設備が異なっていますので、初期費用が必要になる場合が多いです。費用相場は10万円~といわれています。

都市ガスから都市ガスへの切り替えは前述したように費用負担ゼロという場合も多いのです。対してプロパンガスから都市ガスへの切り替えは費用負担が重くなる可能性が高いことを覚悟しなければいけません。都市ガスから都市ガスへの切り替えと、プロパンガスから都市ガスへの切り替えでは事情が異なります。

手数料や違約金は必要なの?

契約手数料についてですが、これはガス会社ごとに異なります。プランによっては途中解約で違約金という話になる可能性もあります。手数料や違約金のことも費用と合わせて契約前によく確認しておきましょう。

引っ越しの時はどうすればいいの?

引っ越しの時はまず自分が契約しているガス会社に連絡をしましょう。

引っ越し先によってそのまま契約先会社を使うことができる場合もありますし、別の会社に切り替えなければならない場合もあります。都市ガスの導管配備率が低いという状況です。引っ越し先によっては都市ガスからプロパンガスへ切り替える必要も出てきます。

アパートやマンションでも使える?

ガス会社の切り替えはアパート、マンション、一戸建て問わず可能です。まずは自宅にガスメーターがついているかどうかを確認し、その上で大家さんに相談してみてください。大家さんにはガスの契約についても確認しておきましょう。

切り替え自体は集合住宅・一戸建て問わずにできますが、契約状況や周辺の環境(都市ガスの整備状況など)によっては目的にガス会社への切り替えができないこともあります。ご注意を。

切り替えたらガス漏れなど保安上の問題ってある?

ガス会社を切り替えたからといってガス漏れが起きたり、ガスが届かなかったりするのではないかと心配する人がいます。ガスは生活に欠かせないものですから、切り替えによってガスが届かないということになったら大変です。

ガスは生活に欠かせないものであると同時に取扱注意の危険物でもあります。料金が安くなるからといってガス会社を乗り換えたら大事故になったら大変ですよね。質の悪いガスを送られるのではないかという懸念もあります。

心配はいりません。ガスの取り扱いや質については法律で厳しく定められています。法に反した場合は重罰が科されることになります。

それに、ガス管は従来の物を使うことになります。会社ごとに別々のガス管を使うわけではなく、どの会社も整備された従来のガス管を使うことになります。

今までガスを管理してきた会社と新規参入の会社は同じガス管を使いますので、新規参入企業だからといって不安がる必要はありません。

乗り換え先のガス会社が倒産してもガスの供給は続きます。電力自由化で乗り換え先の電気会社が倒産しても電気の供給が続くのと同じです。もし乗り換え先が倒産したらガスの供給を受けながら新しい契約先を探すことができます。ただ、その間のガス料金が変わる可能性があります。割高になる可能性も高いので、新契約先はなるべく早くに決めてしまうのがいいでしょう。

ガス自由化でも詐欺に注意?

電力自由化でも詐欺が横行したように、ガス自由化でも詐欺の可能性があります。例えば、電力自由化の際によくあった詐欺の一つとして「今すぐに切り替えないと電気が止まりますよ」というものがありました。ガス自由化でも「契約しないとガスが止まりますよ」などの詐欺が考えられます。ガス会社の乗り換えをしなくてもガスは止まりません。

ガス関連の投資話詐欺や、整備点検をして高額な設備を購入させるなどの詐欺も考えられます。怪しい話があったら、国民生活センターや電力・ガス取引監視等委員会などに相談するのがいいでしょう。

http://www.emsc.meti.go.jp/general/consult.html
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20161215_4.html

最後にガス自由化まとめ

電力に引き続き、ガスも自由化しました。上手く乗り換えをすることによりガス料金を安くすることができるというメリットがあります。しかし現状では参入のハードルが高いため、なかなか新規参入する企業がないのがデメリットです。自由化では各企業を比較してより安いところやサービスの良いところに乗り換えることによりメリットを享受できるのです。しかし、参入企業が少ないと比較しようがありません。都市ガスの整備が遅れていることもあって、現状は「今後に期待したい」という制度です。

しかし、既に都市ガスに対応している地域のお宅であれば、参入している企業同士を比較して乗り換えをすることもできます。せっかくの制度です。上手く使えばお得になるという話ですから、是非とも有効活用したいですね。

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