国民年金は、日本国内に住んでいる20歳から60歳までの人に加入の義務がある公的年金制度です。
国民年金は口座振替で払っている人や、納付書で払っている人がほとんどではないでしょうか。
でも実は国民年金はクレジットカードでも払えるのです。
今回は国民年金をクレジットカード払いにする方法について詳しく解説していきます。
クレジットカード払いにする方法は
国民年金は年間にするとかなりの金額になるので、クレジットカード払いにすればポイントやマイルなどが貯まってお得に支払いをすることができます。
でも実際にどのような手続きでクレジットカード払いにできるのか、知らない人がほとんどではないでしょうか。
国民年金をクレジットカード払いにする手続きには年金事務所や郵送、電子手続きなどの方法があります。
それぞれの手続き方法を確認していきましょう。
年金事務所で手続き
国民年金をクレジットカード払いにするには、まず「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書(記載例付き)」をダウンロードして必要事項を記入する必要があります。
国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書には、下記のような項目を記載しなければなりません。
国民年金保険のクレジットカード変更に必要な記載内容
- 個人番号(または基礎年金番号)
- 氏名、生年月日
- 住所、電話番号
- 支払うクレジットカードの情報(カード番号、有効期限、名義人など)
- 納付方法 (毎月納付、6ヶ月納付、1年前納、2年前納のうちどれか)
クレジットカードは本人の名義でなくても利用できます。
ただし、続柄が配偶者以外の場合は電話または書面で同意確認が行われます。
また、支払い方法は1回払いのみで、分割払いやリボ払いができません。
そのため、2年前納や1年前納、6ヶ月前納などを希望する場合は、1回で払える人でなければ選択しないようにしましょう。
また、カードの利用限度額にも注意が必要です。
すべて記入が終わったら年金窓口に提出します。
手続きには約1ヶ月かかり、手続きが完了したら「国民年金保険料クレジットカード納付のお知らせ」が送られてきます。
郵送による手続き
年金事務所での手続きと同じように、まずは「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」をダウンロードして必要事項を記入する必要があります。
すべての記入が終わったら、郵送をします。
「国民年金保険料クレジットカード納付のお知らせ」が送られてきたら、手続き完了です。
(コストがかかるので進めないが)電子手続き(e-Gov電子申請)
e-Gov電子申請とは、現在紙で行われている申請や届出などの手続を、インターネットを利用して自宅や会社のパソコンで行えるようにするものです。
手続きをしようと思っても仕事が忙しくて市役所に行けないという人でも、24時間自宅や会社から手続きを進めることができます。
ただし、e-Gov電子申請ができるようになるまでには手間とコストがかかります。
それでも利用したい、という強い意思がある人以外にはおすすめできません。
e-Gov電子申請を始めるには、次の手続きが必要です。
1.パソコンの環境設定
動作確認環境を満たしたパソコンの準備のほか、ブラウザの設定変更が必要な場合もあるようです。
2.電子証明書の取得
e-Govで電子申請するときに、電子署名が必要な場合もあります。電子署名をするためには、電子証明書が必要です。いずれかの認証局に問い合わせて、電子証明書の発行を受ける必要があります。電子証明書の発行には手数料がかかります。
3. 電子申請アプリケーションをインストールする
電子申請システムを利用するには、e-Gov電子申請アプリケーションをパソコンにインストールする必要があります。
4.電子申請用データを作成
5.e-Govで電子申請を行う
このように、e-Govで電子申請を行うまでには時間と手間と費用が必要です。
またパソコンの知識もある程度必要となります。
費用がかかるのは嫌だという人や、パソコン操作に自信がない場合は窓口や郵送での手続きをおすすめします。
クレジットカード払いのメリット・デメリット
国民年金をクレジットカードで払うと、ポイントが貯まるなどメリットもある一方で、デメリットもあります。
どのようなメリット、デメリットがあるか確認していきましょう。
実は前納の割引額は、口座振替納付より少なくなっている
国民年金は、まとめて前納するほど割引額が大きくなり、お得に支払いをすることができます。
現金、口座振替、クレジットカードのどの支払い方法を選択すると一番割引額が大きいのか、比較してみましょう。
振替方法 | 現金払いの割引額 | 口座振替の割引額 | クレジットカード払いの割引額 |
2年前納 | 14,420円 | 15,650円 | 14,420円 |
1年前納 | 3,480円 | 4,110円 | 3,480円 |
6ヶ月前納 | 800円 | 1,110円 | 800円 |
現金払いとクレジットカード払いの割引率は同じです。
そのため、口座振替での支払いが一番お得だということが分かります。
しかし、それほど大きな問題になるほどの差額ではありません。
ポイントを合わせれば得
先にも解説したように、口座振替の前納払いが一番割引率の高い支払い方法ですが、クレジットカード払いにした場合にはポイントがつきます。
特にポイント還元率が高いカードで支払いをすれば、口座振替の前納割引よりもお得に支払いができる場合があります。
例えば楽天カードは100円で1ポイント獲得できるため、2年前納の納付額377,350円払った場合には3700ポイント獲得できることになります。
口座振替とクレジットカード払いの割引率の差は1,200円程度なので、ポイントをあわせればクレジットカード払いの方がお得になります。
お金が無いときでも確実に引き落とされる反面、払い忘れがない
国民年金の口座振替が面倒で、ずっと納付書で現金払いをしている人も多いのではないでしょうか。
納付書での現金払いで多いのが、ついうっかり支払期限が過ぎてしまうことです。
わざわざ窓口などに出向かないと行けないことが面倒であとまわしにしているうちに、支払うのを忘れたという経験がある人も少なくないでしょう。
クレジットカード払いにしておけば、給料前だとしても強制的に引き落とされます。
また窓口になどに行く必要もないため、うっかり忘れをしやすい人はクレジットカード払いがおすすめです。
ただし、口座に残高がなくクレジットカードで支払いができなかった場合は、信用情報に記録される可能性があります。
放置していると「信用ブラック」状態になるため、国民年金をクレジットカード払いにする場合は、支払いの延滞には注意が必要です。
金融機関で並ばなくて良い
国民年金を納付書で支払う場合、金融機関が混んでいる場合は番号を取って順番を待たなければなりません。
時間があるときはいいのですが、急いでいる時に順番待ちをするのは苦痛なものです。
そのようなときでも、クレジットカード払いにしておけば自動的に口座から支払いされるので、金融機関で順番待ちをするという時間の無駄遣いをする必要がなくなります。
支払時期が遅くなるので、資金繰りに余裕がでる
国民年金をクレジットカード払いにすると、支払い時期がクレジットカード会社の支払日に合わせられます。
そのため、支払いをした翌月の○日、など締め日によっては支払日まで1ヶ月先になる場合もあります。
現金払いだとその場でお金がなくなってしまいますが、クレジットカード払いはすぐには現金がなくならないため、次の支払い日までに用意しておけるというメリットがあります。
妻の年金も一緒に払える
国民年金のクレジットカード払いは、本人名義でなくても支払いができます。
そのため、妻の国民年金を夫のクレジットカードで支払うということも可能なのです。
その方法を利用すれば、さらにクレジットカードのポイントが貯まるため、一緒に支払うことができるのであれば、一緒にクレジットカード払いの手続きをすることをおすすめします。
限度額の管理は要注意
クレジットカードには利用限度額があります。
長期間使用している場合は限度額もある程度高くなっていますが、まだ作ったばかりのクレジットカードは限度額が30万円という場合が多いです。
国民年金の2年前納(クレジットカード払い)の金額は378,580円です。
限度額が30万円のカードでは支払えないことになります。
前納をしたいという気持ちは分かりますが、カードの限度額には十分注意が必要です。
2年前納378,580円は無理だが、1年前納192,600円はコンビニでnanaco払いって手段もある
ここまで国民年金をクレジットカードで支払うという方法を見てきましたが、クレジットカード払いの手続きをしなくてもクレジットカードで実質支払える方法があります。
それは、nanacoにクレジットカードでチャージをして、コンビニで支払うという方法です。
この方法を利用すれば、クレジットカードで払ったわけではないけれど、nanacoチャージでポイントが貯まるカードであれば、チャージをするだけでポイントを獲得することができます。
先にも解説したように、クレジットカードで2年前納は、カードの利用限度額的にも、支払い的にもきついものがあります。
また、nanacoは1枚で5万円、センター預かり分も合わせると最大10万円までしかチャージできないため、2年前納だとnanacoをたくさん用意しなければなりません。
そのため、nanacoを利用する場合は1年前納で払うことをおすすめします。
ただし、1枚のnanacoに10万円チャージする方法は手間と時間がかかります。(1日ではできない)
また、nanacoチャージでポイントが貯まるカードは少ないため、nanacoチャージでポイントが貯まるカード(セブンカードプラスなど)を持っている人、また手間がかかる作業でもできる人であれば、おすすめできる支払い方法の一つです。
まとめ
国民年金はクレジットカードでも支払えます。
ただし、2年前納を利用するとカードの利用限度額が足りない可能性があるため、クレジットカードで前納する場合は、カードの利用限度額を先に確認しておくこと、またできるだけ限度額の高いカードを利用することをおすすめします。
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